今回のケースは、患者さんと話し合った上での着地点であったので、これが私のできる事の最善だったか？と言えばそうで無いのですが…折角なので掲載したいと思います。
治療前
主訴：右上の２番目の歯が脱離したので治療を開始しました。歯自体が外に（頬側）向いているのでどうしても不恰好になってしまいます。
治療ポイント
治療終了後（Dt.椎名）
①脱離した原因
この歯が外れた原因は、歯茎の上に歯が１〜２mm以上出ていない事です。専門用語ではフェルールと言われるのですが、被せ物が残ってる歯の全周をしっかりと掴む事ができなければ脱離のリスクが高いです。
②歯茎の厚みと歯の軸
歯の軸が頬側に倒れているので、骨・歯茎が薄く元々歯肉退縮が起きやすい口腔形態でした。それを考慮すると、歯茎の移植も選択肢として必要なケースでした。
Smile時
③Smile時の見え方
上記を考慮した上で、笑った時の見え方をチェック。今回の場合は笑った時に歯茎は見えないので、歯の長さは少し長くなってしまいますが、①脱離しないように②歯肉移植と言った大掛かりな外科的な処置を避ける為
患者様と相談して現状より１〜２m mほど長い歯を作ることを許容しました。
そんなこんなで、相談を重ねて治療方針を決めていく事が大事だと思います。