歯を抜かないといけないと言われた

歯を残すことの、
本当の価値

人生100年時代。
年齢を重ねても健康を保つためには、
「自分の歯でしっかり噛めること」がとても重要です。

 

よく噛めることで──

栄養がしっかり摂れる

筋力を維持できる

認知症や転倒リスクを減らせる
など、全身の健康に直結します。

 

だからこそ、「歯を残すこと」が私たちの使命だと考えています。

当院が行う
「歯を残すための治療」と
「予防ケア」

毎日の歯磨きだけでは
限界があります

どんなに丁寧に磨いていても、歯ブラシが届かない場所には歯石や汚れが残ってしまいます。
だからこそ、プロによる定期的なクリーニング(PMTC)が必要です。

当院では、専門の衛生士が「見えない汚れ」まで徹底的に除去。
歯周病や虫歯を未然に防ぎ、健康な歯を維持するお手伝いをします。

 

わかりやすく「見える予防」で
やる気を引き出します

チェアー横のモニターで口腔内をリアルタイムに表示いたします。
患者様ご自身が「口の中の現状」をしっかり見て理解できる環境を整えています。
「なんとなく受ける治療」ではなく、「納得して選ぶ治療」をご提案しています。

歯を残すための治療法一覧

1. 精密根管治療
(マイクロスコープ根管治療)

深い虫歯や外傷により歯の神経が感染した場合、従来であれば抜歯が選択されることが多かったですが、マイクロスコープCTスキャンを活用した精密根管治療により、歯を残すことが可能になっています。

マイクロスコープの拡大視野で狭く曲がった根管の奥まで確実に観察・清掃できるため、見逃しや再感染のリスクが大幅に軽減できます。
また、CTによる立体画像解析で複雑な根管形態や隠れた病巣を事前に把握し、的確な治療計画を立案します。

◆特徴

・高倍率のマイクロスコープで根管内を詳細に観察
・CT画像を用いた三次元的な診断
・ラバーダムを使用し、無菌的な治療環境を確保

 2. 歯髄温存療法(VPT)

虫歯が神経に近接している場合でも、MTAセメントなどの材料を用いることで、神経を残す治療が可能です。​
神経を保存することで、歯の寿命を延ばし、将来的な抜歯リスクを低減します。​
この治療方法は、年齢・虫歯の状態で100%成功する治療法ではありません。
術後半年・1年と経過を追って、神経の活性があるかを確認する必要があります。
また、神経の活性が確認できない場合・腫れてしまった・噛むと痛みがある場合は、神経をとる必要があります。

◆メリット
・歯の感覚を維持
・歯の強度を保つ
・再治療のリスクを低減​

3. 歯根端切除術

根の治療が治るか・治らないかは、感染原因感染経路の両方を除去することができるかに依存しています。
根管治療を行っても症状が改善しない場合は、根の先端に膿の病変ができてしまってる場合が多いです。
そのような場合は、歯根端切除術が選択されます。​

これは、歯の根の先端部分を外科的に切除し、感染源を除去する方法です。
​感染源を除去することで根の治療の成功を導きます。

◆適応症例
・根尖病変が大きい場合
・再根管治療が困難な場合
・根管内に器具が破折している場合​

◆非適応症例・リスク
・奥歯で、術野の確保が難しい場合
・歯が折れてる・クラックが入っており感染経路を遮断できない場合

4. 意図的再植術・歯牙の再植術

歯を一度抜歯し、感染源を除去した後、再度元の位置に戻す治療法です。​
特に、歯根端切除術が適応外の場合に選択されます。​
またこの方法は、親知らずを抜歯して他の部位に移植することもできます。
この治療方法は、歯周病感染年齢移植する歯の状態形態に大きく依存する治療方法です。
また移植した歯は、抜歯する時に神経が途切れてしまうので根の治療が必須となります。
根の治療をした歯は、一生持つわけではないので中長期的に経過を追い、必要があれば抜歯するタイミングが訪れることを知っていなければなりません。
再植は万能な治療方法ではないので、適応症例をしっかりと見極める必要があります。

◆ポイント
・自分の歯を再利用
・インプラントやブリッジに比べて自然な噛み心地
・適応症例が限られるため、専門的な診断が必要​

5. エクストルージョン
(矯正的挺出)

歯が歯茎の下まで破折している場合・歯の根本で虫歯が進行し歯茎の中に歯が埋もれている場合に、矯正力を利用して歯を引き上げ、被せ物が可能な状態にする治療法です。
この方法は、周囲の歯槽骨や歯茎へのダメージを最小限に抑えながら処置できるため、歯の寿命を延ばすだけでなく、見た目と機能の回復にも優れています。
​但し、根の長さが短い場合は、引っ張り上げたとしても予後が見込めないので適応症例にならないこともあります。

◆メリット
・歯を抜かずに保存
・歯茎のラインを整えることが可能
・審美的な回復が期待できる​

6. クラウンレングスニング

根っこしか、残っていない歯茎に埋まってしまっている歯は、根の治療・型取りが困難なため抜歯になることがあります。
しかし、根の長さが十分にある場合はまだ歯を残せる可能性があります。
歯茎や骨を外科的に調整し、被せ物を装着するための歯の長さを確保する治療法です。
​エクストルージョンと併用されることもあります。​

◆注意点

・外科的処置が必要
・歯の見た目が長くなる可能性がある
・適応症例の選定が重要

7. 歯周病治療と再生療法

歯周病は歯を支える骨を破壊する病気です。​
進行すると歯が動揺し、最終的には抜歯が必要になることもあります。
溶けた骨は、放置していると基本的に再生することはありません。
しかし、進行した歯周病でも、条件さえ整えば歯周組織再生療法などの歯周病治療を行うことで、失われた骨や歯周組織の回復が期待できます。

◆治療法
・スケーリング・ルートプレーニング
・エムドゲイン・などの再生材料の使用
・フラップ手術による深部の清掃

抜く?残す?
一緒に考えましょう。

私たちは、歯を守る専門家として、目の前の歯1本1本をできる限り残すための努力」を惜まないようにしたいと考えています。
だがしかし、歯を抜きたくない!抜くのが怖い!だから、歯を残す!そのような目的で歯を抜くことはおすすめしていません。
なぜなら、歯が破れている・歯の周りの骨が溶けていて、身体が歯を外に排出しようとしている。
そんな場合に無理に歯を残す選択をすると、口腔内の全体のバランスを損なうことにつながります。
また、上記で説明した歯を残す治療は、正確な診断の上で治療の成否が決まります。
お口の中全体を見て、治療に妥当性があり、その歯がお口中全体の健康を損なわないかまで見極めたうえで、最適な選択肢をご提案するようにいたします。

 

こんなお悩みのある方は、
ぜひご相談ください

著者画像

著者:西垣 友裕

◆所属学会:日本歯周病学会
◆参加勉強会:
アストラテックインプラント研修会
ノーベルバイオケアインプラント研修会
ストローマンインプラント研修会
東京SJCD (日本臨床歯科学会)ベーシックコース
The Japan Institute for Advanced Dental Studies ペリオコース
The Japan Institute for Advanced Dental Studies ペリオアドバンスコース
エムドゲイン歯周組織再生療法コース
Ivoclar Vivadent I P S Empress コンポジットレジン審美修復コース
IPRT 歯周再生療法マスターコース
その他多数の勉強会・ウェビナーに参加

◆海外の勉強会
EUROPEAN ASSOCIATION OF OSEEOINTEGRATION (ヨーロッパインプラント学会) Paris
ITI (インプラント学会) World Symposium   Switzerland Basel
AAP(アメリカ歯周病学会) San Diego